甲斐善光寺

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概要・歴史・観光・見所

甲斐善光寺(甲府市)概要: 定額山甲斐善光寺は山梨県甲府市善光寺3丁目に境内を構えてる浄土宗の寺院です。甲斐善光寺の創建は室町時代末期の永禄元年(1558)、武田信玄(甲斐国守護職、躑躅ヶ崎館の城主)が川中島の戦いの兵火を避ける為、信州善光寺(長野県長野市)の大本願第三十七世智冠鏡空上人が本願主となり別当職である栗田永寿も当地に移り住み御本尊善光寺如来をはじめ、仏像、寺宝、記録、僧侶など一山全てを甲府に移したのが始まりと伝えられています(上杉謙信も春日山城(新潟県上越市)の城下に本尊を遷しています)。

山門前には計画的な門前町が町割りされ境内は善光寺建立の大檀那本田善光を埋葬した聖地とし、7年の歳月をかけ本坊三院十五庵三坊を建立、武田信玄自ら開基となり智冠鏡空上人が開山しています。

甲斐善光寺は武田家の庇護の元、寺運が隆盛しますが、天正10年(1582)に織田信長の甲斐侵攻により武田家が滅亡、御本尊善光寺如来は織田氏に渡り、さらに本能寺の変で信長が倒れると徳川家康に、一端甲斐善光寺に戻されますが豊臣秀吉元に渡り、秀吉が死去すると遺言により信州善光寺に戻されました。

又、武田家滅亡の際には主君武田勝頼を土壇場で裏切り勝頼自刃の遠因となった小山田信茂が織田信長に許されない事を知ると甲斐善光寺本堂の縁の下に逃げ隠れ、それを当寺の大泉坊が見つけ出し織田家に差し出しました。これにより小山田信茂は斬首、甲斐善光寺は寺領の安堵が認められ大泉坊も褒美が与えられました。

歴史が感じられる甲斐善光寺(宗派:浄土宗)の参道
歴史が感じられる甲斐善光寺(宗派:浄土宗)の参道

甲斐善光寺では前立仏を本尊として再編、徳川家の祈願所となった為、大伽藍を有する大寺院としての格式を維持し浄土宗甲州触頭を勤めるなど寺運は隆盛します。徳川家康が入国した際には松本内12貫文、穴山内7貫5百文、国衙内5百文等合計25貫文が寄進され朱印状が発布されています。

天正18年(1590)に徳川家康は関東に移封となり、代わって甲斐国には豊臣秀吉の家臣、加藤遠江守光泰が入封、文禄2年(1593)に文禄の役の最中に朝鮮半島の西平浦で病死すると甲斐善光寺に葬られ墓碑が建立されています。

その後に入封した浅野弾正少弼長政も篤く帰依し本堂(金堂)の補修を行い、領内の質の高い仏像とされる光搦宦i旧西山梨那千塚村:甲府市中心部の西北西)本尊の阿弥陀如来像、大仏堂(旧北宮地村:韮崎市)本尊の阿弥陀如来像、地蔵堂(旧武川郷武田:山梨県北巨摩郡武川村)の座像が甲斐善光寺に遷されています。

その後に入封した徳川忠長は金堂の屋根の葺き替え工事を行い、平岡勘三郎が代官時代には山門の造営、武田家と関係が深いとされる柳沢吉保が甲府藩主時代の宝永2年(1705)には、甲斐善光寺で武田信玄の法要が行われています。宝暦4年(1754)、大火により多くの堂宇が焼失しましたが癡誉寿看上人・性誉霊海上人らが再建に尽力し40年かけて境内の整備が行われました。

甲斐善光寺:上空画像

現在の甲斐善光寺本堂がその当時のもので寛政8年(1796)に竣工、建築面積約700uは東日本最大の木造建築とされ、単層裳階付二重の撞木造、銅板葺、軒唐破風檜皮葺、桁行23.6m、梁間38.0m、内部に安置されてる建築厨子と棟札と共に昭和30年(1955)に国指定重要文化財に指定されています。

又、本堂内陣の床下に入る事が出来ます。「お戒壇巡り」と呼ばれ光の遮断した真っ暗な細い廊下を自分の感覚だけで巡り、本尊との繋がりを感じながら自身と向き合い、新たに生まれ変わった気分で明るい出口を目指します。

甲斐善光寺の山門は明和4年(1767)に建てられたもので五間三戸、楼門形式、入母屋、銅板葺、桁行16.88m、梁間6.75m、軒高15m、上層目には花頭窓付、高欄が廻り内部には仏壇が置かれ、下層目の両側には仁王像が安置、建物の木部は本堂と同様に朱色で彩色、江戸時代中期に建てられた大型楼門建築として大変貴重な事から昭和30年(1955)に国指定重要文化財に指定されています。

甲斐百八霊場第1番札所。甲斐八十八ヶ所霊場第67番札所。山号:定額山。院号:浄智院。宗派:浄土宗。本尊:善光寺如来。

甲斐善光寺の文化財
・ 甲斐善光寺本堂−寛政8年−国指定重要文化財
・ 甲斐善光寺山門−明和4年−国指定重要文化財
・ 銅造阿弥陀如来及脇侍立像(三躯)−建久6年−国指定重要文化財
・ 木造阿弥陀如来及両脇侍像(三躯)−12世紀前期−国指定重要文化財
・ 木造阿弥陀如来及両脇侍像(三躯)−12世紀後期−国指定重要文化財
・ 木造源頼朝座像(一躯)−文保3年−山梨県指定有形文化財
・ 絹本著色浄土曼荼羅図(一幅)−鎌倉時代−山梨県指定有形文化財
・ 甲斐善光寺銅鐘(一口)−正和2年−山梨県指定有形文化財
・ 木造法然上人座像(一躯)−鎌倉時代末期−甲府市指定文化財
・ 木造蓮生法師座像(一躯)−鎌倉時代末期−甲府市指定文化財
・ 木造玄和居士座像(一躯)−鎌倉時代−甲府市指定文化財
・ 木造本田善光坐像(一躯)−甲府市指定文化財
・ 木造本田善光夫人坐像(一躯)−室町時代−甲府市指定文化財
・ 麻布朱地著色地蔵十王図(一幅)-万歴17年(朝鮮)-甲府市指定文化財
・ 加藤光泰の墓(一基)−甲府市指定史跡

甲府市:神社・仏閣・再生リスト
甲斐善光寺:周辺駐車場マップ

【 参考:サイト 】
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
公式ホームページ


甲斐善光寺:ストリートビュー

甲斐善光寺:本堂・山門・写真

甲斐善光寺境内正面に設けられた圧倒される程でかい山門
[ 付近地図: 山梨県甲府市 ]・[ 甲府市:歴史・観光・見所 ]
甲斐善光寺山門から見た歴史を感じられる境内の様子 甲斐善光寺参道石畳みから見た歴史を刻んだ本堂と参拝者の身を清める香炉 甲斐善光寺香炉越に見える規模がでかい本堂を撮影した画像 甲斐善光寺石燈籠越に見える格式が感じられる本堂
甲斐善光寺本堂向拝の唐破風と大屋根の千鳥破風を写した写真 甲斐善光寺本堂側面入口と側面に設けられた珍しい向拝 甲斐善光寺境内に安置されている、少々小ぶりで精悍な顔立ちの銅製大仏 甲斐善光寺境内に安置されている霊牛碑
甲斐善光寺境内に建立されている鐘楼 甲斐善光寺鐘楼に吊り下げられている重い歴史がある梵鐘 甲斐善光寺境内に作庭された心が落ち着く庭園 甲斐善光寺に建立されている地蔵堂とその前に安置されている石造地蔵尊


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