一蓮寺(甲府市)概要: 稲久山一蓮寺は山梨県甲府市太田町に 境内を構えてる時宗の寺院です。一蓮寺の創建は鎌倉時代初期の元暦元年(1184)、一条次郎忠頼が源頼朝に殺されたことで夫人が尼となり自らの居館(現在の甲府城)を尼寺にしたことが始まりと伝えられています。一条忠頼は甲斐源氏4代当主で武田家の祖とされる武田信義の嫡男で、当初は源頼朝に従い木曽義仲の追討などで功を挙げましたが、武蔵守に補任された事が逆鱗に触れ謀殺されたと推定されています。
鎌倉時代末期の正和元年(1312)、一条時信(武田六郎信長の孫)が時宗2世真教上人に帰依、弟宗信を僧にして時宗に改宗、以来、武田氏に庇護され寺運が隆盛し境内には多くの堂宇が建立され、文安3年(1446)には武田信重が再興しています。
文禄3年(1594)に甲府城の改修により境内が没収、変わって現在地に移され寺領80石が安堵されました。江戸時代中期の甲府藩の藩主である柳沢氏からも庇護を受けたようで、境内には柳沢氏の墓碑が建立されています。
一蓮寺は寺宝が多く、室町時代初期から江戸時代初期までの法号・没年月日・氏名が記入されている一蓮寺過去帳と武田信玄が描いたと伝わる紙本著色渡唐天神像が山梨県指定文化財に、絹本着色柳沢吉保自讃画像と廃般舟院墓石群外出土品一式が甲府市指定文化財にそれぞれ指定されています。
甲斐百八霊場第53番札所。甲斐八十八ヶ所霊場第63番札所。山号:稲久山。宗派:時宗。本尊:阿弥陀如来。
一蓮寺:上空画像
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