山梨岡神社(笛吹市)概要: 山梨岡神社は山梨県笛吹市春日居町鎮目 に鎮座している神社です。山梨岡神社の創建は崇神天皇(第10代天皇・在位:紀元前97年〜紀元前30年)の御代、日本国内に疫病が蔓延し、厄払いの為、勅命により御室山頂(現在の大蔵経寺山※日光山高千穗峯とも呼ばれたようです。)に勧請されたのが始まりと伝えられています。その後、成務天皇(第13代天皇・在位:西暦131年〜190年)の御代に麓の梨林を切り開き遷座し社号を山梨岡神社に改称、境内は山梨郡と八代郡の境とし、「郡石」が設置されます。当時、甲斐国府が隣接した地域にあったとされ、御室山は神聖視され、周囲には数多くの古墳も発見されています。
又、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社の甲斐奈神社と山梨岡神社の論社にもなっており当時から広く信仰されていたと思われます。中世に入ると甲斐守護職である武田家から崇敬され信玄が出陣する際は四剣の舞とも呼ばれる久米舞(太々神楽:山梨県指定無形民俗文化財)が奉納され、社宝には信玄からの社参状、禁制などが残されています。
古くから神仏習合し日光権現などと呼ばれていましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離により仏式が廃され、旧社号に復し明治5年(1872)に郷社に列しています。
歴史が感じられる山梨岡神社の本殿
現在の山梨岡神社本殿は室町時代末期に建立されたもので一間社隅木入春日造、こけら葺、向拝付き、桁行2間、梁間1間、蟇股や擬宝珠など当時の技法、工法、意匠を伝える貴重なものとして明治40年(1907)に国指定重要文化財に指定されています。
山梨岡神社に伝わるキ神(きのかみ)像は飛騨の匠が雷、魔除の守護神として製作したと伝わるもので笛吹市指定有形民俗文化財に指定されています。キ神は中国でいう妖怪で嵐や光、雷のような大きな泣き声を上げると伝えられているもので、山梨岡神社のキ神像は一本足の独足像として信仰の対象となりました。
境内の「藤」は5月上旬頃に見頃となる名木として知られ、根回り155cm、一部は隣の杉に絡まり、多くは藤棚にぶら下がり長さ60cm程度の美しい紫の花を咲かせる貴重な植物である事から笛吹市指定天然記念物に指定されています。祭神:大山祇神、高おかみの神、別雷神。
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