比志神社(北杜市)概要: 比志神社は山梨県北杜市須玉町に鎮座している神社です。比志神社の創建は不詳ですが伝承によると大宝元年(701)に勧請されたのが始まりと伝えられています。
延喜元年(901)に編纂された日本三代実録によると貞観5年(863)に従五位下に列した事(甲斐國正六位上比志神並授從五位下)が記載されていた古社で比志権現や蔵王権現と称していました。当初は日本村西北隅の御崎平に鎮座していましたが正長元年(1428)又は大永2年(1522)に現在地である塩川州上に遷座しています。
比志神社は歴代領主からも庇護され大永8年(1528)に日向大和守是吉一族が社殿を造営し江戸時代には黒印社領三斗七升五合が安堵されています。往時は神仏習合し金峯山(奈良県吉野町)や甲州金峯山(山梨県甲府市)と関係が深い修験系の神社でしたが明治維新後に仏教色が排除され、社号を「比志神社」に改称、明治6年(1873)に郷社に列しました。
現在の比志神社本殿は再建当時のもので、一間社流造、板葺、外壁は素木板張り、棟梁は飛騨の匠(伴野庄高野出身の吉沢因幡守信村や清左衛門尉等)、室町時代に建てられた数少ない神社本殿建築の遺構として貴重な存在で昭和40年(1965)に山梨県指定文化財に指定されています。
本殿背後にある比志神社の大杉は、推定樹齢600年、根周11.7m、目通幹周8.18m、枝張り東8m、西7m、南8.3m、北6.8m、樹高33m、杉の巨木としては山梨県有数の大きさで昭和36年(1964)に山梨県指定天然記念物に指定されています。
神社山門(随神門)は入母屋、銅板葺、三間一戸、八脚単層門。拝殿は入母屋、銅板葺、妻入、桁行6間。祭神:安閑天皇(広国押武金日命)、大己貴命(大国主命)、誉田別命(応神天皇)。
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