聖観音堂(北杜市)概要: 村山西割の聖観音堂は室町時代初期に海岸寺(北杜市:臨済宗、養老元年:717年に奈良時代の高僧、行基菩薩が開いた名刹)の観音堂として建てられたもので地元ではウマヤノシリ(マヤンシリ)観音堂の別称があります。
天保15年(1844)に立川和四郎富昌(諏訪流宮大工棟梁)が海岸寺観音堂を再建した際、当地に移築され昭和末期に大改修が行われています。
入母屋、瓦葺、桁行4間(8.56m)、梁間3間(5.75m)、妻入、正面一間向拝付、外壁は真壁造、白漆喰仕上げ、妻壁は木連格子、蕪懸魚付。内部は正面1間分が外陣で、残りの3間分が内陣、内壁は縦板張、床は板敷、内陣と外陣の区分けは開放的になっています(建築当初は正面1間分が吹き放し、次ぎの1間分が外陣、残りの2間分が内陣で来迎柱の内側に壇を設けて本尊であった木造千手観音立像が安置されていたと思われます)。
室町時代初期の様式や技法が見られる一方で何度も改修が行われた為、造営当時の雰囲気が損なわれているようです。室町時代に建てられた寺院御堂建築の遺構として貴重な存在で平成2年(1990)に北杜市指定有形文化財(旧高根町指定有形文化財)に指定されています。境内には数多くの石碑や石仏などが建立され信仰の篤さが窺えます。
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