中牧神社(山梨市)概要: 中牧神社は山梨県山梨市牧丘町千野々宮に鎮座している神社です。中牧神社の創建は景行天皇40年(110)、日本武尊が東夷東征を完遂し凱旋帰国で当地を訪れた際、当時の甲斐国造を担っていた塩海足尼(塩海足尼は日本武尊に命じられ酒折宮を創建しています。)に命じ山梨加美郷の中央に位置していた茅野々丘に茅野々宮を造営したのが始まりと伝えられています。
中牧神社は当時は加美ノ郷の一番格式の高い神社として毎年3月17日と11月9日には湯立神楽が奉納され牧畜繁栄の祈願が行われていたとされ、中牧郷、窪平、城古寺、千野々宮、杣口の総鎮守として広く信仰されていました。
中牧神社の境内が牧の荘(甲斐国の荘園の1つ、現在の甲州市牧丘町から山梨市北部・山梨市三富、甲州市塩山北西部付近に比定されています。)の中心に位置していた事から何時しか中牧神社と呼ばれたと推定されています。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て村社に列しています。
現在の中牧神社本殿は文明10年(1478)に建てられたもので、一間社流造、檜皮葺、外壁は真壁造り素木板張り、工法や彫刻など室町時代中期の神社本殿建築を継承する大変貴重なものとして棟札と共に昭和28年(1953)に国指定重要文化財に指定されています。
軒札には永正7年(1510)、寛永2年(1625)、承応3年(1654)、享保9年(1724)、寛政10年(1798)、明治18年(1885)に改修や修繕された内容が記載され社殿の変遷が判るものとして大変貴重な存在です。拝殿は木造平屋建て、入母屋、瓦葺き、平入、桁行6間、梁間3間、正面1間分が吹き放し、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。
往時は神仏習合していたようで、境内正面には旧仁王門と思われる、切妻、桟瓦葺、三間一戸、桁行3間、張間2間、八脚単層門の随神門(神社山門)が建立されています。祭神:埴山姫命。
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