安藤家住宅(南アルプス市)概要: 安藤家住宅は山梨県南アルプス市西南湖に位置する古民家です。安藤家の祖は武田家の家臣だったとされ、天正10年(1582)に武田家が滅ぶと帰農し、宝永5年(1708)にこの地に土着、西南湖村の名主を代々務めました。現在の主屋は宝永5年(1708)当時のもので入母屋、茅葺、桁行22.7m、梁間9.1m、正玄関は式台付の格式の高いもので、長屋門から敷地に入り、さらに中門を潜らなければ正玄関に入れない構造で、身分の高い人物のみが利用出来ました。内部は玄関の間、中座敷、奥座敷、居間、祈祷室、納戸などで構成され、中でも奥座敷は接客の場として床の間など格式の高い造りになっています。屋敷内にある長屋門は天明2年(1782)に建てられたもので、木造平屋建、切妻、茅葺、桁行14.7m、梁間3.6m、外壁は真壁造り、土壁鏝押え、腰壁は下見板張り縦押縁押え。
文庫蔵は弘化2年(1845)に建てられたもので土蔵2階建、切妻、桟瓦葺、桁行5.6m、梁間3.6m、外壁は白漆喰仕上げ。北蔵は安永2年(1773)に建てられたもので土蔵2階建切妻、桟瓦葺、桁行10.9m・梁間5.5m、外壁は外側に保護用の板壁が付けられています。南蔵は元治元年(1864)に建てられたもので土蔵2階建、切妻、桟瓦葺、桁行9.1m、梁間7.1m、外壁は白漆喰仕上げ、腰壁は海鼠壁。
茶室は万延2年(1861)に建てられたもので、木造平屋建て、寄棟、桟瓦葺、数寄屋造り。安藤家住宅は江戸時代中期に建てられた、大規模上級農家住宅の遺構として貴重な存在で主屋、長屋門、文庫蔵、北蔵、南蔵、庭園、中門、茶室が昭和51年(1976)に国指定重要文化財に指定されています。又、敷地内に生える「安藤家の避雷針の松」は南アルプス市指定天然記念物に指定されています。
安藤家住宅:上空画像
長屋門を簡単に説明した動画
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