神部神社(南アルプス市)概要: 神部神社は山梨県南アルプス市下宮地に鎮座している神社です。神部神社の創建は垂仁天皇の御代、大神神社(大和国城上郡:現在の奈良県桜井市三輪)の分霊を勧請したのが始まりと伝えられ、当時、甲府盆地の大部分は水没し湖のような状態だった為、舟にのって祭神である大物主命奉遷したとされたとも云われています。
現在に継承される神部神社の曳舟神事(毎年3月2日に行われる例祭、南アルプス市指定無形民俗文化財)はその時の故事を表現していると云われています。真偽は判りませんが、古代の甲府盆地が湖沼だったという伝説が穴切大神社(山梨県甲府市)などにも残されています。
平安時代の歴史書である「三代実録」によると貞観5年(863)に従五位上、貞観8年(866)に正五位下、貞観18年(876)に正五位上、元慶4年(880)に従四位下に列したとされ、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載された式内社とされます。中世に入ると領主である逸見武田氏や小笠原氏から庇護され、明治時代の神仏分霊を経て、明治6年(1873)に郷社に列しています。
神部神社の社宝である算額は江戸時代後期の文化3年(1806)に上州(現在の群馬県)出身の和算家清水直次郎央七が奉納したもので、大正12年(1923)に火災により焼失しましたが、平成5年(1993)に三輪明神社(神部神社)氏子の尽力により復元され同年、名称「神部神社の算額」として南アルプス市指定文化財に指定されています。
拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。本殿は三間社流造り、銅板葺き、正面千鳥破風、正面向拝付き。祭神:大物主命。
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