白野宿(大月市)概要: 白野宿(山梨県大月市笹子町白野)は江戸時代後期の記録によると本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠4軒、総家数84軒、と比較的小さな甲州街道の宿場町でした。本陣は今泉家、脇本陣は天野家が勤めていましたが、継ぎ立ては阿弥陀海道宿と黒野田宿の3宿で分担していました。現在は国道がバイパスのように走っている為、古い町屋などはありませんが静かな宿場町の雰囲気は残っています。
白野宿場内にある宝林寺の創建は永正6年(1509)又は天文元年(1532)に清心浮公により開かれたのが始まりとされ、入母屋、桟瓦葺、一間一戸、楼門形式の山門が異彩を放っています。寺宝である紙本淡彩観音十六羅漢図は延享4年(1747)に白隠(江戸時代の禅僧)により製作されたもで縦136cm、横112cm、白隠の作品の中で製作場所と製作年が明確で意匠的にも優れている事から大月市指定文化財に指定されています。
稲村神社(祭神:国常立尊、素盞鳴尊、日本武尊、稲田姫尊・格式:村社)の創建は嘉暦2年(1327)に勧請されたのが始まりとされ、安永6年(1777)に現在地に遷座再興されました。境内には親鸞聖人が村長の小俣家の娘「およし」が大蛇となり村で暴れたのを収めたとの伝承が残る「 親鸞上人念仏塚」や「毒蛇済度舊跡」、「葦池の碑」が残されています。
甲州街道:宿場町・再生リスト
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