内船寺(南部町)概要: 正住山内船寺は山梨県南巨摩郡南部町内船に境内を構えている日蓮宗の寺院です。内船寺の創建は鎌倉時代の建治3年(1277)、日蓮宗に帰依していた四条金吾頼基が自らの持仏を祀る為、邸宅内に3間4方の御堂を建立したのが始まりと伝えられています。
四条金吾頼基は幕府執権の北条泰時の甥である江馬入道光時の家臣とされ、日蓮聖人の庇護を行うと共に医薬にも通じ、大病を患った光時を得意の医学により完治させた功により当地の領主に抜擢されたとも云われています。
弘安2年(1285)に宅邸を寺院として境内を整え、正安2年(1300)に頼基(法名:収玄院日頼、)、さらに同じく日蓮宗に帰依していた夫人(法名:殊勝院日眼)が嘉元元年(1303)に死去すると当寺で埋葬され霊廟が建立されました。その後も寺運は引き継がれ寛政年間(1789〜1801年)と安政年間(1854〜1860年)に火災により多くの堂宇を焼失しましたがその都度再建されました。
寺宝である小半鐘には医薬に通じた頼基直伝の20種類の薬の調合方法が書かれている貴重なもので南部町指定文化財に指定されています。
内船寺山門は切妻、銅瓦棒葺き、一間一戸、薬医門、軒唐破風。本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行10間、正面1間向拝付き。境内には頼基、夫人、月満御前(娘)の墓があります。甲斐百八霊場第106番札所。山号:正住山。宗派:日蓮宗。本尊:十界曼荼羅。
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