門西家住宅(身延町)概要: 門西家住宅は山梨県南巨摩郡身延町湯之奥に位置している古民家です。門西家は室町時代からこの地に土着した郷士や地侍的な立場の家柄で、湯之奥代官や関守、金山や山林の管理、名主などを歴任してきました。当初は佐野性を名乗っていましたが慶長2年(1597)から門西性に改称、多くの古文書を持っています。
現在の建物は江戸時代中期に建てられたと推定されるもので、入母屋、茅葺、桁行14.67m、梁間9.19m、富士川流域の入母屋造農家建築の特徴を持ち、柱、梁、桁などは太く大きな部材が使用され仕上げが荒削りなところから格式が高く、古い年代に建てられたと思われています。
門西家住宅の内部は向って左1/3は土間で竈や水屋などが置かれている作業場として利用され正面中央1/3は日常生活が営まれ、「あがりば」、「だいどころ(囲炉裏付)」の2室で共に板の間となっています。向って右1/3が接客の場で「ざしき」、「おくのま」、「なんど」の3室で構成され全て畳敷きとなっています。
門西家住宅は間取りや天井、床などの変更が見られるものの、主要構造部は建築当時の姿をよく留めており、江戸時代中期の上層農家建築の遺構として大変貴重な事から昭和39年(1964)に国指定重要文化財に指定されています。
門西家住宅:上空画像
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