石尊神社(北杜市)概要: 石尊神社は山梨県北杜市白州町鳥原に鎮座している神社です。石尊神社の創建は応永5年(1398)に勧請されたのが始まりと伝えられています。中世は領主である武田家に崇敬庇護され、武田信虎や家臣である馬場信房が社殿を修営し文禄3年(1594)には社殿が再建されています。
江戸時代に入ると幕府から庇護され寛文12年(1672)には社領1反17歩が寄進されていました。文政12年(1829)、甲州相撲目代名取弥惣の書付を賜り、当時は例祭で相撲が奉納され多くの参拝者が訪れたと伝えられています。背後の雨乞岳(標高:2037m・山梨百名山)は古くから信仰の対象になっていた霊山で山頂では度々雨乞いの儀式が行われ、その際は石尊神社に参拝してから登拝するのが常とされました。
当時は神仏習合の形態を取っていたようで境内には不動明王や矜迦羅童子(不動明王の従者八大童子の第7番目)、制叱迦童子(不動明王を中尊、矜迦羅童子と制叱迦童子を脇侍として三尊形式をとる例は多い。)などの多くの石仏が残され、参道には推定樹齢250〜300年のアカマツの巨木が約50本、200m余りの松並木を形成し昭和48年(1973)に北杜市指定天然記念物に指定されています。
現在の石尊神社社殿は江戸時代末期に再建されたもので、本殿は一間社流造、こけら葺、正面に軒唐破風向拝が付き、壁面、脇障子などに精緻な彫刻が施され江戸時代後期の社殿建築の特徴が見られます。
拝殿は入母屋、銅板葺、妻入、桁行8.6m、梁間7.9m、正面1間向拝付、内部の天井は格天井で花鳥の絵画が描かれています。石尊神社本殿並びに拝殿は共に立川流の宮大工が手掛けた伝わるもので、江戸時代末期の社殿建築の遺構として貴重なことから昭和48年(1973)に北杜市指定文化財に指定されています。祭神は大山祇神、日本武尊。社格:無格社。
石尊神社:上空画像
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