旧平田家住宅(北杜市)概要: 旧平田家住宅は山梨県北杜市小淵沢町に位置している古民家です。平田家は武田信玄家臣の山田但馬守の後裔と伝わる旧家で村向村の名主を務めた上級農家でした。
現在の建物は17世紀後半に建てられたもので、木造平屋建、入母屋(東面土庇付)、茅葺、平入り、桁行19.726m、梁間9.1m、外壁は真壁造、土壁鏝押え、開口部が少ない、軒先が低い、柱間が1間、土間の割合が広い、柱の仕上げがチョウナ、馬屋の間仕切り柱が掘立て柱などの特徴を持っています。叉、平田家の信仰上の理由から八ヶ岳が見える東向きに建っています。
平田家住宅の内部は向って右側3/5は土間で右端には馬屋が2房、中央土間が作業場でイロリやカマドが設けられていました。残りの左側2/5が居室で正面の2室が接客場で「カミザシキ」と「シモザシキ」が配され「カミザシキ」には床の間と棚が設けられ格式の高い造りになっています。背後の「イドコ(イロリ付)」、「ナンド」、「ウアラベヤ」は所謂日常生活が送られる場所です。時代背景からか、床の仕上げは全て板張で畳敷の部屋は存在していません。
旧平田家住宅は、八ヶ岳南山麓に分布する小さい破風の入母屋造の民家の代表例で江戸時代中期の農家建築として規模が大きく当時の建築様式を踏襲する貴重な建物である事から平成元年(1989)に国指定重要文化財に指定されています。現在はふるさと歴史公園内に移築保存され「いろりの家」として一般公開されています。
旧平田家住宅:上空画像
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